1月3日。日常が、もう見え始めてしまう朝に──Netflixで飲む「夢と家族のあいだ」
🌅 はじめに──1月3日は「休みの残り香」がいちばん苦しい
1月1日は、始めなくていい。
1月2日は、整わなくていい。
でも1月3日は、違う。
カレンダーが、急に現実味を帯びてくる。
仕事、学校、連絡、段取り。
「戻る準備」が、心の外側から勝手に始まる。
だけど僕らの感情は、まだ休みの中にいる。
そのズレが、いちばん疲れる。
だから今日の一本は、背中を押す映画じゃない。
“戻り方”を教えてくれる映画を選ぶ。
🍷 1/3 本日のオススメ|Uncorked
今日の1本は、Netflix映画『Uncorked(アンコルクド)』。
夢を追いたい青年と、家業を継いでほしい父。
そのあいだで、言葉が足りないまま擦れていく物語だ。
舞台はアメリカ・メンフィス。
家族のバーベキュー店を手伝いながら、主人公イライジャはワインの世界に惹かれていく。
目指すのは、ソムリエとしての高い資格。
でも父は、家族が積み重ねてきた店の“次”を守ってほしいと思っている。
✅ 黒川式・1/3の視聴姿勢
今日は“気合い”を入れて観ない。
コーヒーでも紅茶でもいい。温かいものを一杯だけ用意して、スマホは遠くへ。
この映画は「正解」をくれるんじゃなく、“揺れている自分”を肯定してくる。
🍖 ワインと家業の対立は、たぶん「愛し方」の対立だ
『Uncorked』が胸に残るのは、父が悪者じゃないからだ。
父は、息子を縛りたいわけじゃない。
ただ、怖いんだと思う。
自分が守ってきた店が終わること。
自分の代で途切れること。
そして、息子が“遠くへ行ってしまう”こと。
一方で息子も、家族を捨てたいわけじゃない。
ただ、人生のどこかで一度だけ、自分の舌で世界を確かめたい。
ここでぶつかっているのは、夢か家族か、じゃない。
「大事にしているものの守り方」が違うだけなんだ。
🥂 この映画が“仕事始め前”に効くのは、「訓練」の描き方が誠実だから
『Uncorked』は、夢を“キラキラ”で包まない。
ソムリエの勉強は、地味で、孤独で、反復の塊だ。
香りを当てる。言葉にする。外す。恥をかく。もう一回。
テイスティングは、才能だけじゃ勝てない。
「積み重ねた時間」のほうが、味に出る。
1月3日って、まさにこの感覚だと思う。
休みの間に“人生を変える”必要はない。
でも、日常へ戻るための下準備だけは始まってしまう。
この映画は、その下準備を否定しない。
むしろこう言ってくる。
「地味な反復が、ちゃんとあなたを連れていく」って。
🧭 1月3日に焦る理由──僕らは「戻ること」を負けだと思ってしまう
休み明けの現実は、どうしてあんなに“敗北感”が混ざるんだろう。
たぶん僕らは、無意識にこう思っている。
「休みは自由で、日常は檻」
「戻る=諦める」
「戻る=夢が遠ざかる」
でも『Uncorked』が静かに示すのは逆だ。
戻ることは、夢を捨てることじゃない。
むしろ夢は、日常の中でしか育たない。
家業の手伝いも、勉強も、言い争いさえも。
ぜんぶが“前に進むための材料”になってしまう。
その現実が、1月3日にいちばん必要な慰めだと思う。
🛋 この映画は「勝つ話」じゃない。「折り合いの話」だ
夢を叶える映画は多い。
でも『Uncorked』は、夢の物語でありながら、家族の物語でもある。
誰かの期待を裏切ること。
誰かの期待に応え続けること。
そのどちらにも痛みがある。
この作品が誠実なのは、その痛みを“美談”にしないところだ。
だから観終わったあとに残るのは、スッキリじゃなくて、呼吸の深さ。
「今日をどう戻ればいいか」が少しだけ分かる。
🧭 観終えたあとに残るのは「戻っていい」という許可証
1月3日に必要なのは、やる気じゃない。
決意でもない。
「戻っていい」という許可証だ。
日常へ戻ることは、負けじゃない。
生活へ戻ることは、夢を殺さない。
『Uncorked』は、そのことを声高に言わない。
ただ、父と子の距離の中に、確かな温度として残していく。
1月3日は、現実が戻ってくる日じゃない。
“現実に戻る練習”が始まる日だ。
『Uncorked』は、その練習を雑にしないでいいと教えてくれる。
夢と家族の間で揺れる自分を、今日はそのまま抱えていい。
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読めるときに、気になるものから。
🌱 まとめ──1月3日は、静かに“戻って”いい
1月3日。
まだ休みたい。
でも戻らなきゃいけない。
その矛盾を抱えたまま観られる一本が、『Uncorked』だ。
夢と家族のあいだで揺れる心を、急いで結論にしない。
だから、僕らも急がなくていい。
今日の正解は、きっとこれだ。
「戻ることを、丁寧にする」
── 黒川 煌
📚 補足・免責
※配信状況は地域・時期により変更される場合があります。視聴前にNetflix作品ページでご確認ください。
※本記事はNetflix配信作品をもとに、映像批評家・黒川 煌の視点で構成しています。



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