1月13日。進んでもいない、戻ってもいない──ただ止まっている日

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1月13日。進んでもいない、戻ってもいない──ただ止まっている日

🌫 1月13日は「何も変わらない日」

1月13日は、動きがない日だ。
昨日より元気になったわけでもない。
かといって、決定的に落ち込んだわけでもない。

ただ、止まっている。
前にも後ろにも、進んでいない感じがする。

1月10日には「続いてしまう日常」があって、
11日には「消耗」がはっきり顔を出し、
12日には「戻りたい気持ち」が揺れた。

そのあとに来るのが、この13日だ。
揺れた結果、どこにも行けず、
感情が足踏みしている状態。

僕はこの日を、毎年うまく扱えない。
何かしなきゃいけない気がするのに、
何をしても手応えがない。

1月13日は、停滞を自覚する日だ。
進んでいないことを、進んでいないまま認める日でもある。

🕰 停滞は、怠けとは違う

停滞という言葉には、どうしても後ろめたさがついて回る。
怠けている。サボっている。
そんなふうに、自分を裁きやすい。

でも僕は、停滞は怠けとは違うと思っている。
それは、心が情報を処理している時間だ。

年が変わり、生活が切り替わり、
気づかないうちに、たくさんの選択と判断を重ねてきた。
その反動が、ここで出ているだけかもしれない。

何も決められない日。
やるべきことに集中できない時間。
それは、壊れているサインじゃない。

僕自身、停滞を無理に突破しようとして、
何度も余計に疲れてきた。

1月13日は、押さないほうがいい日だ。
動かないという選択も、立派な反応だと思っている。

🎬 停滞の時間に、思い出した作品

この「何も進まない感じ」に近い作品として、
僕が思い出すのは『パターソン』だ。

この映画には、大きな事件が起きない。
人生を変えるような展開もない。
同じ街、同じ道、同じ一日が、繰り返される。

主人公は、毎日同じ時間に起き、
同じ仕事をし、同じ場所を歩く。
その反復の中で、何かが劇的に変わるわけじゃない。

でも、何も起きていないわけでもない。
ほんの小さな違和感や、
言葉にならない感情が、静かに積もっていく。

1月13日の停滞は、これに似ている。
外から見ると何もない。
でも内側では、ちゃんと時間が流れている。

🎬 今日、この停滞にいちばん近い一本

もし今日、何かを流すなら。
刺激の強い作品や、起承転結がはっきりした物語は避けたい。

『パターソン』は、
停滞を突破しようとしない映画だ。
「このままでいい」とも言わない。
ただ、「この時間もある」と置いていく。

観ていると、
自分が止まっていることに、少しだけ安心できる。
急がなくていい。
今は、何も決めなくていい。

1月13日は、そんな距離感がちょうどいい。

🎞 作品について──何も進まない時間に、意味を与えない映画

1月13日のような日に、『パターソン』を思い出すのは、たぶん自然なことだと思う。
この映画は、「停滞している自分」をどうにかしようとしない。
前に進ませもしないし、慰めもしない。
ただ、その時間を、そのまま置いていく。

『パターソン』を観ていると、時間の流れが少し変わる。
物語が進んでいるのかどうか、途中で分からなくなる。
同じ道、同じ仕事、同じ帰り道。
昨日と今日の違いを、探そうとしなければ見失ってしまうほどだ。

でも、それは退屈とは少し違う。
退屈は、「何かが足りない」と感じる状態だけれど、
この映画には、「足りない」という感覚すらあまりない。
ただ、あるものだけが、淡々と積み重なっていく。

1月13日の停滞も、これに似ている。
昨日より良くなったわけでもない。
悪くなったとも言い切れない。
何かが変わる予感も、はっきりしない。

僕たちは、こういう時間を嫌う。
意味を見つけたがる。
「この停滞には理由があるはずだ」と考え始める。
でも、『パターソン』は、その問いに答えない。

主人公は、自分の生活を説明しない。
特別な夢を語るわけでもない。
毎日を「どうにかしよう」としない。
それでも、日々は確かに続いていく。

その姿を見ていると、
停滞を「失敗」や「遅れ」として扱う必要がない気がしてくる。
進んでいなくても、人生は止まっていない。
外からは見えなくても、内側では、ちゃんと時間が動いている。

1月13日は、変化が起きないことに焦りやすい日だ。
でも、この映画は言っているように見える。
「今日は何も起きなくていい」と。

『パターソン』の良さは、
観終わったあとに何も残らないところにある。
感動も、決意も、教訓もない。
ただ、「この時間も生きていた」という感覚だけが残る。

それは、とても弱い肯定だ。
でも、1月13日には、その弱さがちょうどいい。
強い言葉や、明確な答えは、今日は必要ない。

停滞している自分を、どう扱えばいいのか分からないとき。
この映画は、何も教えない代わりに、
「そのままで座っていられる場所」を用意してくれる。

1月

🛋 何もしないことで、保たれるもの

停滞しているとき、人は焦る。
「このままじゃいけない」
「何か動かさなきゃ」

でも、何もしないことで守られるものもある。
気力。感情。判断力。

僕は、停滞の時間をすっ飛ばした結果、
後で大きく崩れた経験が何度もある。

1月13日は、踏みとどまる日だ。
進まないことを、問題にしない。

今日は止まっている。
それだけの事実を、そっと置いておけばいい。

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🌙 まとめ──止まったまま、今日を終えていい

1月13日は、回復でも、再出発でもない。
停滞の一日だ。

何も進んでいなくてもいい。
何も決められなくてもいい。

止まっている時間にも、意味はある。
ただし、その意味を今日、言葉にする必要はない。

止まったまま、今日を終えていい。
それが、1月13日の正解だと思う。

── 黒川 煌

📚 補足・免責

※本記事はNetflix配信作品を題材に、映像批評家・黒川 煌の視点で構成しています。
※配信状況は地域・時期により変更される場合があります。

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